こんにちは、コーニッシュです。

『かぐやとピアノ①』練習ノートも、今回が最終回です。

これまで、テンポ60からの練習、手の支えと重心、A〜Dのつなぎ方、彩葉パートとの合わせ方をお伝えしてきました。

最後にお話ししたいのは、この教本を通して、私が皆さんにいちばん楽しんでいただきたいことです。

「かぐやのモティーフ」は、かぐやそのもの

皆さんに弾いていただいている「かぐやのモティーフ」は、かぐやそのものだと思っていただけたらうれしいです。

皆さんが覚えている、かぐやの顔を思い浮かべてみてください。

楽しそうな顔。少し落ち込んだ顔。ぼーっとしている顔。

その表情のかぐやが、このメロディーに合わせて動き、話しているところを想像してみましょう。かぐやの気持ちに自分の気持ちを重ねながら、音を出してみてください。

楽譜の上に描かれているかぐやの表情は、私がこの教本を作ったときに思い描いたものです。それを手がかりにしながら、皆さんそれぞれの記憶の中にいるかぐやにも、出会ってほしいと思っています。

同じ音の並びにも、違う表情があります

同じ音を同じ順番で弾いても、思い浮かべる気持ちによって、弾き方は変わります。

ここで気をつけたいのが、音を順番に並べることだけに意識が向いて、表情の変化がなくなってしまう「棒弾き」です。

もちろん、「ぼーっとしているかぐやを表現したい」ということもあるでしょう。その静けさを音にするのも、一つの表現です。

ただ、ぼーっとしているかぐやも、生きています。呼吸をしています。

その呼吸を、短いメロディーの中にも感じてみてください。

例えば、ちょっと落ち込んでいるかぐやなら、フレーズの最後を少し小さく弾いてみると、その気持ちに近づけるかもしれません。

これは一つの試し方です。「そのかぐやなら、こんな声で話しそう」という感覚を頼りに、自分の音を聴いてみましょう。

今日は、同じ2小節を弾き比べてみてください

A〜Dの中から、弾き慣れた2小節を一つ選んでみてください。

まずは一つの表情を思い浮かべて弾いてみます。そのあと、別の表情のかぐやを想像して、同じ2小節をもう一度弾いてみましょう。

音の強さや、フレーズの終わり方はどう変わるでしょうか。自分の中で思い浮かべた気持ちが、実際の音にも感じられるか、耳を澄ませてみてください。

Fに合わせるときも、彩葉の伴奏の拍の流れを聴きながら、音の強さやフレーズの収め方で、かぐやの表情を探ってみましょう。

短いフレーズにも、自分の音楽を

長い曲を弾けるようになることも、もちろん楽しみの一つです。

そして、たった2小節の中にも、表現できることはたくさんあります。

かぐやの表情に触発され、かぐやの気持ちを想像しながら、ご自身の耳と感性を少しずつ磨いていってください。

楽譜の中のかぐやと、皆さんの心の中のかぐや。その両方を感じながら弾く時間を、これからも楽しんでいただけたらうれしいです。

コーニッシュ

かぐやとピアノ① 練習ノート5